神田 笹巻けぬきすし総本店

かつて江戸時代に「江戸三鮨」と呼ばれた、江戸を代表する三軒のすし屋がありました。今回訪れるのはその中の一つ、神田の「笹巻けぬきすし総本店」です。
…といっても、現在の江戸前寿司の源流となったのは、江戸三鮨の中でも残りの二つの「与兵衛寿司」もしくは「安宅松が鮨」だそうで、今回訪れる笹巻けぬきすしは、昔のなれずしの系統になるのですが。

お店の外観はこんな感じ。夜&携帯で撮影、という事でかなりトホホな画像ですか、まぁ参考に。
お店の中は寿司屋というよりは小さ目の和菓子屋という感じでした。というのもこのお店は、お店の中で食べるよりは持ち帰りの方がメインになっていて、持ち帰るついでにお店の中で食べることも出来ますよ、というスタイルになっているためです。そのため営業時間も短めで、朝9時から夜7時まで、となっています。
とりあえず私も7個入りの折詰を購入。



で、持ち帰っていよいよ食すわけです。よくサザエさんなんかで出てくる、お土産用の寿司の折詰と雰囲気は似てますね。
ちなみに、購入後3時間ほどたった後が食べごろ、との事で、今回はそれにしたがって3時間ほど置いておくことにしました。

包み紙を開けると、寿司の入った木箱と割り箸、あとは口上の書かれた紙が入っております。中には

笹巻毛抜鮨の濫觴は、古く戦国の頃戦陣に飯を笹の葉にて包み兵糧として運び居たる故事に思いを及ぼし、独特の技能を得て笹巻鮨なるものを世に広めたるは元禄十五年なり、其の頃旗本や松平候等幾多の諸侯御来店の折、毛抜にて魚の小骨を抜き鮨を作るを見て「面白きことよ」と興ぜられ、笹巻鮨を毛抜鮨とも呼び益々世に広まりたり。

てなことが書いてあります。

箱を開けるとこんな感じ。確かに一つ一つ、笹の葉で巻いてあります。

こちらは白身魚。7個いりの残りの6つは巻物が2つ、玉子、おぼろ、光り物、海老でした。
塩を酢を強めに作っている、ということで、確かに普通の鮨よりは酢が強めでしたが(まぁ、ネタも酢に〆てあるので当然ですが)、そこまでキツい感じではありませんでした。このくらい酢の利いた方がむしろ好みかも。あとサイズがそんなに大きくないので、ひょいひょいと食べられます。

しかし惜しむらくは、これ高いんですよねぇ…。鮨としては安いんですが、7個入りで1500円は頻繁に買うにはちと二の足を踏むお値段。15個いりくらいをふつーにお昼に買って食べられるくらいの身になりたいもんですなぁ…。